【年間3万円以下】Bライフと平均世帯の税金と社会保険料比較【Bライフ生活費内訳】
前回の記事に引き続き、Bライフに必要な生活費2万円の内訳を説明します。
今回は税金と社会保険の費用です。
税金と社会保険はコストの算出が複雑で、どうすれば安く抑えられるかわからない方も多いかもしれません。
今回の記事では、Bライフをした場合の税金と社会保険の内訳を平均世帯と比較しながら紹介します。具体的な税金と社会保険の算出方法は別記事で説明予定です。
注意点
- 今回紹介するBライフの直接税の内訳には不動産の固定資産税は含みません。固定資産税は不動産の価値によって決まるものなので、個人差が大きいためです。
- 同様に、Bライフの社会保険料の内訳には介護保険料を含みません。介護保険料を払う対象は40~65歳以上であり、下記シミュレーションの設定年齢は対象外だからです。
- 税金と社会保険の金額は自治体によって微妙に算出式が異なることがありますので、数値の保証は出来ません。実際の金額は居住する自治体や役所に確認をお願いします。
- 本シミュレーションで使用した設定は以下の通りです。
- 40歳以下、前年度所得33万円、単身世帯、特別控除等は含まない
- 社会保険は茂原市国民健康保険税概算額計算表と全国商工断端連合会の法廷減額基準表を基に算出
- 所得税と住民税は横浜市と東京都中央区のシミュレーションサイトおよび住民税の自動計算サイトを基に算出
- 国民年金は日本年金機構の『国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度』ページを基に算出
Bライフの収支表
まずは、以下、Bライフ(低コストのスローライフ)で最低限必要な生活費の表です。以前の記事に載せた表と同一のものです。
(「Bライフってなに?」という方はこちらの記事をご一読下さい)
税・社会保障の欄をご覧ください。給与での年収が98万円の場合だと、月々2,050円、年間で3万円を切ることがわかります。
項目 | 支出 | 年間合計 |
---|---|---|
合計 | ¥61,951 | ¥743,408 |
給与 | ¥81,667 | ¥980,000 |
食費 | ¥-10,000 | ¥-120,000 |
バイク | ¥-2,500 | ¥-30,000 |
税・社会保険 | ¥-2,050 | ¥-24,600 |
日用品 | ¥-2,000 | ¥-24,000 |
健康・医療 | ¥-1,666 | ¥-19,992 |
水道・光熱費 | ¥-1,500 | ¥-18,000 |
衣服・美容 | ¥0 | ¥0 |
住宅 | ¥0 | ¥0 |
通信費 | ¥0 | ¥0 |
教養・教育 | ¥0 | ¥0 |
ちなみに、平均的な勤労者世帯(世帯人員2.65人、世帯年収約600万円)は1人当たりおよそ月35,000円、年間で40万円以上を払っています。
- 1人当たりの税金・社会保険の負担額平均
実収入 | 直接税+社会保険料※1, 2 | 直接税(所得税+住民税等) | 社会保険料(年金+健康保険料等) | 実収入に対する直接税+社会保険料の割合 | |
---|---|---|---|---|---|
月間 | ¥185,885 | ¥34,578 | ¥14,294 | ¥20,231 | 18.6% |
年間 | ¥2,230,614 | ¥414,933 | ¥171,523 | ¥242,771 | 18.6% |
公共財団法人 生命保険文化センター:『収入に対して、社会保険料と税金の占める割合は?』を基に作成
※1 直接税:所得税や住民税の他に贈与税、固定資産税、自動車税等も含む ※2:公的年金保険料と健康保険料の他に介護保険料、雇用保険料も含む 詳しくは総務省統計局の『家計調査 収支項目分類』を参照
税・社会保険の内訳
税金と社会保険の合計が年間で3万円を切るのをご覧いただきました。
具体的な内訳は以下の通りです。
実収入 | 直接税+社会保険料 | 直接税(所得税+住民税) | 社会保険料 | 実収入に対する直接税+社会保険料の割合 | |
---|---|---|---|---|---|
月間 | ¥81667 | ¥2,050 | ¥0 | ¥2,050 | 2.5% |
年間 | ¥980,000 | ¥24,600 | ¥0 | ¥24,600 | 2.5% |
社会保険料(国民健康保険料)以外は非課税もしくは全額免除されます。国民健康保険料も7割を免除されているので、非常に低コストです。
特に強調したいのが、収入に対する税金と社会保険料の割合も平均世帯と比べて大きく違うことです。平均世帯とBライフだと、その差は16.1%にもなります。
平均世帯 | 単身Bライフ | 差(平均世帯-単身Bライフ) | |
---|---|---|---|
実収入に対する直接税+社会保険料の割合 | 18.6% | 2.5% | 16.1% |
最後に
今回は、収入に対する税金と社会保険料の割合やBライフをした際の負担額を紹介しました。
フルタイムで働いている方からしたら、かなり不公平に見えるかもしれません。私も新卒で入社してからこの事実を知り、働くモチベーションが一気に下がったのを覚えています。
もともと経済的自由を目指していた私にとって、この不公平感は『アーリーリタイア→低コストスローライフ』の流れを加速させる要因の一つになりました。たくさんの税金や社会保険料のために自分の貴重な時間を使いたくないと強く思うようになったからです。
法律やルールは、全員が平等かつ公平に作られるべきです。
一方で、全員が平等だと感じる法律やルールを作るのは非常に難しいです。皆様もどこかしらで不平等に感じた決まりがあるかと思います。
その決まりに対して、『不平等感正すのにエネルギーを使う』のか、『ただただ従う』のか、『有利な立場に行く』のかは人それぞれですが、個人的には『有利な立場に行く』のが一般人としては比較的賢明な選択だと感じます。
『ただただ従う』というのは、不平等を強く感じてしまっているなら避けるべきです。ストレスを蓄積し続けてしまい、愚痴を飛ばしたり他の立場にいる人を非難するようになるだけで、不平等感を増大させるだけだからです。
『不平等感正すのにエネルギーを使う』というのは、自分の信条や理念にそぐわないことなど、人生をかけてどうしても変えたいときのために温存しておく選択肢です。公人や有名人や政治的な権力を持っている人を除き、法律やルールを変えるためにはとてつもないエネルギーが必要なのが現実かと思います。
『有利な立場に行く』というのは、知識を得て行動するだけで不平等を解消できるので、一番手っ取り早く状況を改善できる選択肢です。簡単に言うと、人を変えるよりも自分が変わる方が早いということです。
例えば世界的大企業のAmazonは法人税を「楽天の30分の1」程度しか払っていないと言われています。しかし、Amazonは法律やルールを守っていないわけではありません。あくまで決まりは守っていますが、『有利な立場に行く』ことを選んだ結果なのだと思います。
だらだらと私見を言ってしまいましたが、税金や社会保険の分野の知識をつけることは、多くの人にとって『有利な立場に行く』ことに繋がります。