新型コロナの影響が将来のコスパを上げるのに一役買っている理由
新型コロナウイルスは世界経済に大打撃を与えています。多くの企業や個人店が倒産や休業を余儀なくされています。
しかし、日本社会にとって、新型コロナウイルスはいい影響をもたらした一面もあります。
それは、保守的な日本ならではの非合理的なしきたりを破壊していることです。
日本は保守的なので、外部の圧力がないと社会全体で変化することが難しいです。たとえそれが合理的であってもです。
コロナウイルスが外部の圧力となり、合理的な選択肢が世間に浸透したことは非常に良かったと思っています。
コロナはより合理的な選択肢が浸透するきっかけとなった
たとえば、テレワークの広まりで、通勤のストレスから解放されている人はかなり多いです。
申し訳ないけれど、このままずっとテレワークならいいのに。私、ずっと板橋にいられる。その気になれば、ランチタイムに、徒歩数分で、龍峰のチャーハンも食べられるし、次元を見に行ける。こんな恵まれた環境はない。ごえんで、うどんも餅入りで頼めるのだ。
— いたばし区の ばら (@Rosary_) 2020年5月7日
正直テレワークで済む部門の仕事ならずっとテレワークでよくない?
— おつき (@otukisancos) 2020年5月12日
わざわざ満員電車でストレス抱えながら出社する意味
てかテレワークで済むのになんの義務感かわざわざ出社させるから満員電車になるのでは
ほかに例を挙げると、下記のようなものがあります。
これらの文化は技術的にはかなり昔から可能だったものです。オンラインゲームをやる人はわかると思いますが、ZOOM飲み会のようなことなんて、10年以上前からSkypeでやってました。
にもかかわらず、日本全体が保守的すぎるあまり、社会的認知はされていませんでした。
以下のようなことを思っていた人は、私だけではないはずです。
- 飲み会はビデオ通話でやればいいのに
- 映画をみたいだけならサブスクやレンタルで事足りるのに
- 高いお金を払って個別レッスンを受けなくても、様々なノウハウがYouTubeで無料で手に入れられるのに
- 仕事もオンラインで出来ることがたくさんあるのに
これらの思いを実現してくれたのはコロナと言っても過言ではありません。
付け加えておきたいのが、従来の選択肢がいけないと言っているのではありません。映画館は家にはない魅力や付加価値がありますし、オンラインのコミュニケーションが完璧だとも全く思っていません。
しかし、少なくとも、ある目的を達成するための手段として合理的な選択肢が増えたことは、素直にいい影響だと思うのです。
コロナが、社会がこれらのコスパ高の選択肢を経験するきっかけを作り、コスパ高の生き方をしやすくなる流れを作ってくれました。これだけは主張したい。
特に、リモートワークを社会全体で経験したのが一番大きいと思っています。 なぜなら、家賃コストを下げるハードルがかなり下がったからです。
これまでは家賃と通勤時間はトレードオフだった
これまで、会社員が住む場所を決める条件として、「会社までの距離が近い」というのは優先順位が高いものでした。会社までの距離を遠くしてしまうと、時間や精神をかなりすり減らしてしまうからです。これは多くの論文で実証されています。
以下は神戸大学大学院の論文の引用です。
通勤時間が増加すると心の健康状態が低下するということである。 (中略) 直接的な精神的疲労の蓄積だけでなく睡眠不足や生活習慣の不健康化などを引き起こし心身の回復過程が阻害される
出典:神戸大学大学院経済学研究科 (山岡, 小林 2015)
こんなことは論文で実証されなくてもわかっていることですが、通勤を余儀なくされていたから、せめて会社に近いところで住まなければなかったのです。
しかし、会社に近いというのは大体土地相場が高いところです。ビジネスをするのに田舎だと都合が悪いからです。
だから従業員は、高い家賃か長い通勤時間のどちらかを選択せざるを得なかったのです。
(余談ですが、会社員時代に50代のベテラン社員が「通勤時間2時間でつらいなんて甘い」と言っていた時に、彼は非常に適応が上手なのだなと思いました。私の人生でそんなことを言う機会は一度もないのは確実だからです。)
しかし、コロナの影響でテレワークを本格導入する企業は確実に増えます。通勤がなくなる仕事も生まれます。
そうすると、家賃も時間の両方どりができるようになり、コスパの高い生活が実現できるようになります。
いまテレワークを完全導入している企業は限られていますが、少なくとも今後は「テレワークを導入している企業」という条件が就職サイトに現れます。
コロナ禍でテレワークを経験した多くの人たちは、引き続きテレワークがいいと感じているでしょう。需要が生まれる瞬間です。
そうしてテレワークに需要が生まれると、企業も対応せざるを得なくなります。 求職者が「テレワーク希望です」ということがおかしい状況ではなくなります。
コロナがなかったらこんな状況になるのは何年あとになっていたでしょうか。私にはわかりません。
こういった合理的選択肢が世間に浸透することは、コロナウイルスのいい影響です。
最後に
今回はコロナウイルスのポジティブな影響として感じていることを書きました。
繰り返しになりますが、これまでの非合理的と思われる行動がいけないと言っているのではありません。ただ、合理的な選択肢が増えたこと素直に喜びたいのです。
とはいえ、甚大な被害が出ている新型コロナウイルス。わたしも少なからずその影響は受けており、現在進行形で困っています。
いろいろ大変な時期ですが、いろいろな手段を駆使して、この困難を乗り越えましょう!